AI画像認識による品質検査の精度向上
工業用部品製造の品質検査業務は、熟練者による目視やパターンマッチング式画像認識(事前に幾つかの規格パターンを機械に登録してから判別させる方式)が主流です。
しかし、今日的な経営状況から、熟練者による目視は、人口減少ゆえの人材の確保が難しくなってきていますし、社員の高齢化により事業継承や事業拡大に限界が生じています。
一方、パターンマッチング画像認識においては、不良品の定義が明確でなければ機械は認識できません。そのため、微妙な色彩の識別が求められる自動車、自転車部品に関してはさして効果を発揮できていない現状があります。
以上のことから、現代の品質検査業務は目視と画像認識を織り交ぜて行なわざるを得ず、昨今の「働き方改革」で求められている「業務の効率化」の実現には程遠い状況になっています。
この課題を解決するために、弊社の画像処理事業で開発した「まーべらす Eye」は開発されました。
ディープラーニングで形成したニューラルネットワーク画像処理エンジンを骨格とした画像処理技術で、ラベリング後の学習から識別を全て自動で行ないます。
このAI技術と独自のアルゴリズムを併せることで、ヒトの目では見抜けない異物、色彩、キズ、プレスコンディション等微細な異変を察知する驚異的な認識性能に達しました。
これにより省力化に直結する、ラインの自動化や不良品検知精度の向上の他、歩留まり向上にも寄与していくことが可能です。
ディープラーニングによるニューラルネットワークの形成
画像識別を行うニューラルネットワークは下図の様な形態をしています。カメラの各ピクセル毎に演算と重みづけを行うノードを配置して、それを相互に接続しており、これらをニューロンと呼んでいます。
ある一つの出力ニューロン(以下ではZで示す)の接続を考えると、図の様な接続形態を持ち、手書き文字を入力した場合に出力ニューロンが発火するように学習することで画像の識別ができます。
ディープラーニング
ディープラーニングでは学習データを多段階学習させることで画像の特徴量を自動的に算出し、物体を識別する為のニューラルネットワークを自己形成します。
ニューラルネットワークが形成された後では、物体の画像データをニューラルネットワークに入力することで、自動で物体を推論し、物体特定の確率を算出します。
物体をラベリングしておけば物体の識別が可能になります。
まーべらすEyeでは150段まで任意に学習階層を変えることができます。
まーべらすEye検査アルゴリズムの特徴
まーべらすEyeは、異なる3つの検査アルゴリズムを有しています。
用途や対象物、測定環境に合わせて、検査アルゴリズムを選択することができます。
検査アルゴリズムの種類 | 用 途 |
高速・軽量検査アルゴリズム | 動画対応検査、スマホ搭載応用 |
複合検査アルゴリズム | 複数種の検査識別 |
高感度アルゴリズム | 微小な欠陥や同色系の欠陥検出 |